2025年12月上旬、リネットジャパングループ(3556)から株主総会招集通知が届きました。

今回、同封されていたのが『私たちは地域の社会課題をビジネスで解決したい』という書籍です。

せっかく頂いた本なので、しっかり読んでみました。

そこで今回は、書籍の内容を中心に、リネットジャパングループの今後について考えてみたいと思います。

株主優待として書籍をもらうのは初めてでしたが、なかなかうれしいものですね!

株主総会招集通知と一緒に本が届いた

リネットジャパンの株主優待の書籍『私たちは地域の社会課題をビジネスで解決したい』とお買物券

普段の株主総会招集通知とは明らかに違う、厚みのある封筒。

そこに入っていたのが、社長の黒田武志氏が初めて執筆した書籍『私たちは地域の社会課題をビジネスで解決したい』です。

また、今までと同様に、NETOFFお買物券と買取UPクーポン券も同封されていました。

中でも興味深かったのが「個人投資家向けリネットジャパンCEOサロン」の開設です。

月2回・30分程の時間で、今後の成長戦略や足元の状況を代表自ら解説してくれるとのこと。

もともと四半期決算ごとにオンライン説明会があり、質疑応答の時間も長めに取ってくれていました。

そこからさらに情報発信が増えるのは、個人投資家として素直にありがたいですね。

私もオンラインサロンに登録してみようと思います。

『私たちは地域の社会課題をビジネスで解決したい』の内容とは?

黒田氏の書籍『私たちは地域の社会課題をビジネスで解決したい』は非常に読みやすいテイストで、思わず一気に読んでしまいました。

著書内でも触れられていますが、この本を書く動機となったのは、リネットジャパンが今一番力を入れている「環福連携モデル」の構想を世に投げかけたい、という想いです。

そのため、主題は都市鉱山リサイクルと、そこに障がい者雇用を結び付ける意義

「社会課題の解決」と「ビジネスとしての持続性」を、どう同時に成立させるかが中心テーマでした。

本の核は「環福連携モデル」

『私たちは地域の社会課題をビジネスで解決したい』の1ページ

内容の核となるのは、環境×福祉を“シナジー”にする「環福連携モデル」です。

都市鉱山リサイクルと障がい者雇用を掛け合わせ、全国の自治体と公民連携で広げていく構想が中核で、ゴールとして「障がい者雇用1万人創出」を掲げています。

特に面白いと思ったのが、”地産地消”型の障がい者雇用モデルで、これはPC端末等の分解作業を各地域の障がい福祉事業所に外部委託し、地域で雇用と工賃を生む設計になっています。

ただ、これは安定したPC端末の回収があってこそ成り立つもので、本書でも「回収」の大変さが繰り返し語られます。

個人的には、各障がい福祉事業所で、本当に就労者自身が分解作業をすることができるかがポイントになるかと思っています。

というのも、障がい福祉事業所で受注している諸々の仕事は、実際のところ”ほぼ”スタッフが行っているケースが多いことも、まぎれもない事実だからです。

「回収」という”疎から密に戻す”難しさ

『私たちは地域の社会課題をビジネスで解決したい』の1ページ

本書では「端末をどう集めるか」が重要だと繰り返し書かれています。

回収側は、回収そのものが利益になりにくい。

一方で出し手側も、お金や労力をかけて回収してもらうのは手間なので、積極的になりにくい。

そのような中で、いかに回収量を増やすかが重要で、そこをクリアできると、結果として他社の参入障壁となり、ブルーオーシャンが広がっている、という整理は納得感がありました。

リネットジャパンが利益率の低い回収事業を軌道に乗せるために取った戦略が自治体との連携であり、またPC端末が必須にせよ、”無料”で宅配回収するという出し手側の手間の削減でした。

また、製品ごとに回収するのではなく、複数の製品・複数の企業が相乗りして回収していく「回収プラットフォーマー」を活用することこそが、製品を回収しリサイクルに回す重要な観点であると述べています。

そして、リネットジャパンがその役割を担い、日本のサーキュラーエコノミーに貢献していくことが、経営理念である「ビジネスを通じて“偉大な作品”を創る」にもつながる、という結論でした。

黒田社長の半生が意外と興味深い

本書には、リネットジャパン立ち上げの経緯も書かれているのですが、個人的にはここがいちばん面白かったです。

BOOKOFF創業者・坂本氏の講演を追いかける”追っかけ”になり、ついにはトヨタ自動車に勤めながらBOOKOFFでアルバイトをするという行動力。

さらに、講演によく来ていた黒田氏がBOOKOFFでバイトをしていると聞いて連絡を取る坂本氏。

坂本氏との食事の場でチャンスを逃さず起業の相談をする黒田氏。

たった数ページにまとめられているエピソードですが、夢を持って行動することが結果につながる、読んでいて気持ちが明るくなる場面でした。

実際、黒田氏が尊敬する坂本氏は非常に魅力的な方だったようです。

私自身BOOKOFFでバイトをしていましたが、「坂本氏のもとで働きたくてBOOKOFFに入社した」という社員さんが何人もいたのを思い出しました。

カンボジア事業については記述少なめ

本書は「環福連携モデル」の構想を世に投げかけることを目的としているためか、カンボジア事業の撤退についてはあっさりとした記述に留まっています。

反省点を、①途上国であるカンボジアの地で事業展開したこと、②金融という慣れないフィールドで戦ったこと、の2点であると記述していますが、この理由で納得できないのは私だけではないはずです。

一方で本書を通して、なぜカンボジアで事業を開始し、技能実習生の送り出しにつながったのか、背景を理解できたのは良かった点でした。

日本の農機具をカンボジアでリユースする事業を出発点に、農機具の修理の必要に駆られた結果として、トラクター等の農機具だけでなく自動車自体の整備士の育成にまで進んだという「横展開」があったためでした。

カンボジア事業の隆盛と衰退の話は、第三者である私にとって非常に興味深いものなので、ソラミツ社との合弁企業の話など、ここには載っていない話も含め、また書籍にしてくれると嬉しいですね。

壁が生じるごとに「助けてくれる人」がいたこと

本書を通じて感じたのは、黒田氏が大きな壁に当たるたびに、助けてくれる人との縁があったことです。

ただ、それは偶然というより、黒田氏やリネットが壁を乗り越えるために努力を重ね、その行動に心を動かされた人が手を差し伸べた、という見方もできると思います。

おそらく「環福連携」も、今後大変な壁に当たることはあるでしょう。

そのときに、協力者との縁が突破口になる、と黒田氏自身も考えているのかもしれません。

一方で、これは投資家目線ではひとつのリスクでもあります。

いわゆる「創業者に依存するリスク」です。

黒田氏がいなくなった後も、リネットは同じように信頼と協力のネットワークを維持できるのか。

ここは長期で応援するために、気になる論点だと感じました。

『私たちは地域の社会課題をビジネスで解決したい』を手に入れる方法

リネットジャパンの株主優待の書籍『私たちは地域の社会課題をビジネスで解決したい』

今回の書籍は、2025年9月末時点で100株以上保有していた株主に贈られたものです。

また、リネットジャパングループのホームページでは要約版をダウンロードすることができます。

株主であれば、株主番号が分かれば本編の無料ダウンロードも可能です。

もちろんAmazonなどでも取り扱いがありますし、きっとBOOKOFFにも在庫があるでしょう。

今後のリネットジャパンに期待が膨らむ

『私たちは地域の社会課題をビジネスで解決したい』を読んで、今まで以上にリネットジャパングループを応援したくなったのは言うまでもありません。

すでに2026年は自信の表れとも言える、太っ腹な株主優待を発表しており、「環福連携」の”環”の部分、つまりリサイクル事業は成果を見せる段階にまで成長してきています。

PC端末などの”回収”は着実に認知度も増してきていますし、今後の世界的な潮流となるであろう循環社会にも適合した事業に育っています。

短期的には、GIGAスクール端末をいかに仕入れられるかという重要な局面と言えますが、GIGAスクール端末の波がなくても成長を続けられる、長期的な運用システムを作れるかどうかが、「環福連携」の本当の勝負どころだと思っています。

なんだかんだ、もうすぐ7年の付き合いになるリネットジャパングループ。

益々応援したい気持ちになりました。